刑事事件

刑事裁判の手続きの流れ|刑事事件の基礎知識

刑事裁判の手続きの流れ|刑事事件の基礎知識

このコラムをご覧になってくださっている方の中にも、ドラマや映画などで刑事裁判のシーンを見たことがある方や、実際に裁判所に刑事裁判の傍聴に行ったことがあるという方もいるかもしれませんが、刑事裁判が具体的にどのような流れで進んでいき、一つ一つの手続きがどのような意味を持つのか、詳しくご存知の方は少ないかと思います。

また、もし、自分が刑事裁判を受ける被告人になってことになったしまった場合、どのような流れで裁判が進むのかは不安に思うところかと思います。

そこで、ここでは刑事裁判の手続きの流れについて、時系列に沿って説明します。(※なお、ここでは一般的な裁判官裁判の手続きを説明します。裁判員裁判については別コラムをご参照ください。)

1.開廷前

(1) 裁判所からの呼出

在宅の被告人には自宅に、勾留中の被告人には留置されている警察署に裁判所から、裁判期日を指定した書面が送られてきますので、その日時に裁判所の当該法廷に出頭します。

(2) 法廷内での待機

被告人には被告人用の座席があるので、そこで待機します。ご家族や証人として出頭した方は、傍聴席に待機してもらいます。

なお、刑事裁判は誰でも傍聴することができますので、全く見ず知らずの人が見に来ていたりしても驚かないでください。

勉強のために来ている学生や、いわゆる「傍聴マニア」と呼ばれる人などが来ていることもあります。

また、検察官・弁護人も左右に分かれて自分の席で待機します。

(3) 裁判官入廷

裁判官が法廷に入ってきたら、傍聴席の人も含め、全員起立し、裁判官の着席と併せて一礼することが通例となっています。

2.冒頭手続

(1) 人定質問

裁判が始まると、まず、被告人は真ん中の証言台に立つよう促されます。

そこで、裁判官から起訴された人物と、今目の前にいる出頭してきた被告人が同一人物であるかを確認する質問をします。具体的には、名前、住所、本籍地、生年月日、職業などです。

(2) 起訴状朗読~黙秘権告知

次に、検察官が起訴状を朗読します。これに対し、裁判官から被告人に、黙秘権があることの告知がなされます。

(3) 罪状認否

そして、被告人に対し、起訴状の内容に間違いがあるかどうかを聞かれます

ここでこの事件が自白事件なのか、否認事件なのか裁判官に判明します。

起訴状朗読からここまでを、「冒頭手続」といいます。

3.証拠調べ手続き

(1) 冒頭陳述

まず、検察官が証拠によって証明しようとする事実について、簡潔に説明します。

この内容が、刑事裁判の軸になっており、検察官はいかに理論的に冒頭陳述で述べた事実があることを理論的に証明するか、弁護人はいかにしてこの事実を否定するのか、またそれ以外の被告人にとって有利な事実があることを示すかという勝負が始まります。

(2) 証拠調べ手続き

①検察官立証

検察官からの証拠の提出になります。通常は、まず書証や物証、次いで人証という順番になります。

②弁護人立証

弁護人からの証拠の提出を行います。同じく書証・物証→人証という順が通常です。
※証人として出廷した人は、ここで人証として証言台に立ち供述することになります。

その際、「出頭カード」というものに名前や住所、職業などを記載し、そのうえで「宣誓」をおこないます。

これは法廷において記憶と異なることを述べないと誓約することで、仮にこれに違反すると偽証罪に問われる可能性もあります。

③被告人質問

最後に被告人質問が行われます。

弁護人からまず質問し、次いで検察官が質問します。通常は最後ですが、適宜裁判官も質問を行います。

当然、刑事裁判における最大の山場とも言え、弁護人との事前の綿密な打ち合わせが重要となります。

4.弁論手続

(1) 論告・求刑

まず、検察官が今回の事件についての意見と、それに基づいた量刑の意見を述べます。

自白事件であればいかに悪質な犯罪であるかを述べ、否認事件であれば、被告人が犯人であることを理論的に説明します。

(2) 弁論

次いで、弁護人が今回の事件についての意見量刑の意見を述べます。

自白事件であれば、被告人にいかに有利な事情があり軽い刑罰とすべきかを述べ、否認事件であれば、被告人が犯人ではないこと、もしくは被告人が犯人だとすることに合理的な疑いがあることにつき、説得的に主張していきます。

(3) 最終陳述

最後に、被告人に自由に発言する機会が与えられます

自白事件であれば通常は反省の弁や被害者への謝罪を、否認事件であれば、自らが犯人でないことを述べることが多いです。

5.判決

裁判官から、今回の事件の判決が言い渡されます。

通常は、「懲役〇年(執行猶予が付けば併せて「執行猶予〇年」)」と結論が述べられ、次いでその理由が述べられます。
まれに、理由をきちんと被告人に聞かせたいなどの理由から、結論を後に述べるような場合もあります。

6.刑事事件については弁護士に相談を

以上が刑事裁判の大まかな流れになります。

否認事件であればいかにして説得的に無罪であるかを主張するために、弁護人の存在が大事であるかは容易に想像できるかと思います。

しかし、自白事件でも、いかにその量刑を少なくするか(執行猶予をとれるか、懲役刑をどれだけすくなくできるか、など)についても、弁護人の存在が大きく影響します。

刑事事件について悩まれている方は、すぐに弁護士に相談されることをお勧めします。

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