債務整理

自己破産と生活に不可欠なライフライン(水道・ガス・電気)への影響

自己破産と生活に不可欠なライフライン(水道・ガス・電気)への影響

自己破産手続は、裁判所に申立てをして、自らの財産を債権者に配当する代わりに、支払不能となってしまった借金の返済義務などの全ての金銭支払義務、つまり「債務」(債権者から見れば「債権」)を、原則として全額免除してもらう債務整理手続です。

借金帳消しという最も大きな効果を持つ債務整理手続ですが、裁判所を通す手続であるため、融通が利かない一面があることも事実です。

もっとも、自己破産の目的は、借金で困っている人たちの生活を再建することにありますから、水道光熱費などには、法律で特別の手当てがされています。

このコラムでは、社会生活を送るうえで不可欠なライフラインである、水道、ガス、電気などに関して、自己破産がどのような影響を与えるのかを説明します。

1.水道光熱費

水道、ガス、電気など、生活に必要なライフラインにも、利用料金がかかります。借金の返済に困って利用料金を支払えなくなり、供給を止められてしまわないか、また、自己破産をすることで利用できなくなるのではないかと心配の方も多いでしょう。

ですが、ご安心ください。自己破産したことだけを理由に、水道やガス、電気などが止まることはありません。また、自己破産手続後に、新しく契約することができなくなることもありません。

他の借金を免除してもらうことで、毎月の支払はもちろん、滞納していた分の支払も可能になりますから、前向きに手続を行いましょう。

ただし、多少注意点があることも事実です。

(1)毎月の支払は全く問題ない

自己破産手続では、本来、借金全額が支払えなくなった後にお金を支払うと、借金が免除されないリスクが生じます。

しかし、生活に不可欠な水道光熱費は、その例外の一つです。そのため、毎月の水道光熱費の支払は全く問題ありません。

借金全額が支払えなくなった後に、特定の債権者にだけお金を支払うことは、「偏頗弁済」と呼ばれています。

偏頗弁済は、債権者をえこひいきしてはならないという「債権者平等の原則」に違反するものです。

そのため、法律上原則として借金が免除されなくなる事情である「免責不許可事由」の一つとされています。

(2)滞納がある場合

水道光熱費の滞納がある場合、自己破産手続により、申立てた日を含む請求期間より前の分の料金は免除されます。となると、水道やガスが止まってしまってもおかしくありません。

しかし、水道などは生活に必須のものです。そこで、ある程度は、法律により手当てがされています。

自己破産手続の申立てをした日を含む請求期間より前の分について滞納があったとしても、手続開始以降は、水道やガス、電気を止めたり、契約を解除したりしてはならないとされています。

要するに、基本的に、水道光熱費を滞納していても、自己破産手続を始めると裁判所が決定すれば、水道などが止まることはないのです。

もっとも、注意が必要な点が3つあります。

(3)申立てから手続開始までは注意!

ひとつは、法律でライフラインの停止を禁止している期間は、「手続開始以降」であることです。

弁護士に相談してから申立てまでは、費用の積立や資料集めのため、一般的に3~4か月はかかります。また、申立てをしてから手続が開始されるまではさほどかかりませんが、申立てにたどり着くまでが一苦労なのです。

その間も利用料金の滞納が続けば、水道などが止められてしまうことはあり得ます。

滞納を解消しなければ、手続開始が開始され、申立て月以降の料金を支払わない限り、供給は再開されません。

しかし、滞納している利用料金の支払は、通常の支払と異なり偏頗弁済になる恐れがあります。

対処法としては、家族に代わりに支払ってもらうことが考えられます(第三者弁済)。

第三者弁済とは、契約当事者ではない人が、債務者に代わって債務を支払うことです。第三者が弁済すれば、債務者の財産は流出しませんから、他の債権者に不利益が生じることはありません。

そのため、債権者平等の原則に反することはなく、偏波弁済とならないのです。

また、滞納しているとはいえ生活に必要な出費であることに変わりはありませんから、数か月分ならば、裁判所が、偏頗弁済とみなさないでくれる場合がないわけではありません。

微妙なところですから、勝手に支払ったりせず、弁護士に相談して対処を検討してください。

(4)申し立てた日を含む月以降の支払い

もうひとつの注意点は、支払が免除される期間です。申し立てた日を含む請求期間の支払いは、自己破産手続により免除されません。

自己破産手続では、原則として、「手続開始の時」にある支払負担が免除されますが、申立てた日を含む請求期間の水道光熱費の支払いは、免除されないことになっています。

そのため、申立て以降手続開始前に支払日がきた水道光熱費の滞納をすると、水道などが止められてしまいます。こちらは、偏頗弁済などの問題は生じませんから、ともかくしっかり支払いましょう。

なお、手続開始以降に支払日が来るものは、そもそも手続の対象になりません。

2.下水道料金は免除されない

水道代の領収書をよく見ると、上水道と下水道の料金が別々に記載されています。この下水道料金のみは、自己破産手続免除されないことになっています。

税金などと同じように、役所が滞納処分で徴収できることになっているためです。

滞納が続くと、役所により財産を差し押さえられてしまいます。

3.複雑な自己破産手続きは弁護士に相談を

自己破産手続をすることで、生活が基本から立ちいかなくなるという噂がありますが、実際にはそんなことはありません。借金を免除することで、債務者の生活を守ることが、自己破産手続の目的の一つだからです。

一方で、借金を帳消しにされてしまう債権者を守るために、債権者平等の原則など、債務者にとって面倒な規制があることも事実です。

そのような規制への対策をしつつ、生活をできる限り維持しながら、借金問題を解決するには、弁護士のサポートが欠かせません。

泉総合法律事務所では、自己破産により借金問題を解決した実績が多数ございます。是非ともお気軽にご相談ください。

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